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父の一番長い日。

犬鳴村 特別限定版 (初回生産限定) [Blu-ray]

犬鳴村 特別限定版 (初回生産限定) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
  • 発売日: 2020/08/05
  • メディア: Blu-ray
実家まで電車で1時間19分。 740円で帰れるんですが、1年に数回回会えばいい方です。 コロナ・ウィルスの影響で益々、足が遠のきます。 時折、77歳の母親からは、全部平仮名でメールが来ます。 僕はそれを見る度、『アルジャーノンに花束を』を思い出します。 82歳の父は、メールや電話をくれたことは一度もありません。 元々、母以外とは、家族の誰とも、あまりしゃべりません。 寡黙でおしゃべりな僕と正反対です。 昔の話をします。 妹が小学校低学年の頃です。 突然、「学校に行きたくない」と言い出しました。 クラスのリーダー格の男の子にいじめられているというのです。 それを聞いた父は、仕事を早退して昼休みの時間、 妹のクラスに行き、その男の子に「女の子をいじめるのは良くないよ。男の子は女の子にやさしくしないといけない」と諭して、そのまま、帰ってきたそうです。 (今なら、教室に無断で入れないでしょうし、間違いなく”さすまた”で御用です。ずいぶん昔のことです。お許しを) もちろん、父は母からも怒られ、後日、事情を聞いた先生に呼び出されたのは言うまでもありません。 (男の子の両親がおおらかな人で奇跡的にそれだけで済んだ。) 妹は普通に学校に行くようになりました。後で考えてみると、その男の子だけだったようなので、いじめというより、いじわるで、もしかしたら、その男の子は妹に好意をもっていたのかもしれません。 ちなみに父は男4人兄弟の次男です。 そんな妹が19歳になったある土曜の晩のことです。 母が僕と弟に「今晩は家にいない方がいい」と小声で囁きました。 驚いたことに、どうやら、妹のお腹の中に赤ちゃんが出来たようです。 (その赤ちゃんも無事に育ち、もう大人です) 相手が両親を連れてやってくるが、母はもちろん、妹も父の反応が怖くて、まだ、話していないというのです。 門限19:30分の専門学校生の妹が同級生の子供を宿していると知った時の父の反応は確かに想像だに出来ませんでした。 僕は友人の家に、弟は親戚の家に自主避難しました。 結果的には突然の訪問に驚き、向こうの両親の手前、振り上げた拳を自分の膝に戻し、平和的に解決したようでした。 しかし、休みの日にも必ず、6時前に起きる海上自衛隊員の父が翌日は昼すぎまで寝床から出て来なかったそうです。 僕はその時、父のような大人でも心が折れるのを知りました。 父の一番長い日。 こんな映画のタイトルありましたね。

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