ホラー映画『来る』はトンデモナイかも。 [映画鑑賞]
映画『来る』は2018年公開。
PG12指定。
上映時間は134分。
映画『来る』は「第22回日本ホラー大賞」で大賞に輝いた澤村伊智の小説「ぼぎわんが、来る」を映画化したホラー。
監督は「嫌われ松子の一生」(2006)「告白」(2010)「渇き。」(2014)の中島哲也。
主演は岡田准一。
メインキャストに黒木華、小松菜奈、松たか子、妻夫木聡、青木崇高石田えりらの錚々たる面々が揃える。
映画『来る』のあらすじ
恋人の香奈(黒木華)との結婚式を終え、幸せな新婚生活を送る田原秀樹(妻夫木聡)。
秀樹の会社に謎の来訪者が現れ、取り次いだ後輩、高梨(仲野太賀)に「知紗さんの件で」との伝言を残して去る。
知紗とは妊娠した香奈が名づけたばかりの娘の名前だった。
奇妙な来訪者が名前を知っていたことに言い知れぬ不安を感じる秀樹。
その予感は当たり、取り次いだ高梨が謎の死を遂げる。それから2年、秀樹の家族の周りで不可解な出来事が次々と起こる。
秀樹は高校時代の友人で民俗学の研究をしている津田(青木崇高)に助けを求める。
津田は秀樹にヤクザから心霊まで扱うフリールポライターの野崎(岡田准一)を紹介。
秀樹は強い霊感を持つキャバ嬢の比嘉真琴(小松菜奈)に会うことになる。
真琴は訪れた秀樹の家で”得体の知れぬ強大な力”を感じ、戦慄する。
真琴の力では”それ”に対抗するのは無理だと感じた姉の琴子(松たか子)が”それ“退治に乗り出すことになる。
琴子は日本最強の霊媒師で警察幹部をも、一目置く存在だった。
琴子は逢坂セツ子(柴田理恵)ら全国から力のある霊能力者を招集。
琴子と”それ”との戦いが始まる。
しかし、それとともに秀樹たち家族の”秘密”も解き明かされてゆく…。
ワクワクするトンデモナイ感じあるでしょ?
ここからネタばれあり。
では、
この映画のどこがトンデモナイか?
中島哲也独特の色彩美が全編を彩る圧巻のホラー映画。
(目がチカチカする)
悪魔祓いのマンション前のセットも迫力あり。
そして、
驚くことにメインキャストが次々と死んでゆくトンデモナイ展開。
役者陣の演技力もトンデモナイ。
公衆トイレで倒れる黒木華のラスト・カット。
(ホラー映画の”画”の構図の美しさと役者魂!)
岡田准一がやさぐれライターを上手く演じている。
(永遠のゼロ(2013)よりこちらの方が筆者は好み)
中でも、映画『来る』で特筆すべきは小松菜奈だろう。
容姿から言葉遣いから現在公開中の映画「糸」とは真逆のキャラクターを見事に体現している。
登場のファースト・シーンだけでも見るべき。
(ハッとすること間違いなし)
松たか子も最強霊媒師琴子を楽しそうに演じている。
(さすがは中島哲也チルドレン。「告白」も見事だったが、映画『来る』での
病院のベンチでの足を大きく開いた座り方なんて最高。役者は見るべき)
妻夫木聡のダメ男ぶりもいい。
(イクメンパパと家族の幸せさの表と裏は見る者によっては身につまされるだろう。SNSへの強烈な皮肉)
映画では、それが勝ったのか真琴が勝ったのか?
観客に判断が任されるカタチで終わる。
(投げっぱなし)
来る”それ”の正体も完全には明かされない。
(原作のタイトルの「ぼぎわん」はオリジナルのお化け。
作中では三重県に伝わる妖怪で室町時代に宣教師によって「ブギーマン」と名付けられらたのは、日本人の発音で「ぼぎわん」と呼ばれるようになったらしい)
脚本は監督の中島哲也と劇団「ハイバイ」の岩井秀人らが1年以上かけて執筆。
(青木崇高演じる津田の二面性が暴かれるシーンとか秀逸)
134分はあっという間。
劇場で見るべき作品だが、家でもその迫力は伝わる。
色々な意味でトンデモナイ映画。
オススメ。
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